電気自動車充電市場の展望
世界中で電気自動車の台数は日々増加しています。環境への影響が少なく、運用・維持費も低く、政府からの補助金も充実していることから、個人や企業が従来型の自動車よりも電気自動車(EV)を購入するケースが増えています。ABIリサーチによると、2030年までに約1億3,800万台のEVが路上を走行し、全自動車の4分の1を占めると予測されています。
従来の自動車の自律性能、航続距離、そして燃料補給の容易さは、電気自動車への高い期待を生み出しています。こうした期待に応えるには、EV充電ステーションのネットワーク拡大、充電速度の向上、そして見つけやすい無料充電ステーションの設置によるユーザーエクスペリエンスの向上、課金方法の簡素化、その他様々な付加価値サービスの提供が不可欠です。これらの対策において、ワイヤレス接続は重要な役割を果たします。
その結果、ABIリサーチによると、電気自動車用の公共充電ステーションは2020年から2030年にかけて年平均成長率29.4%で成長すると予想されています。2020年には西ヨーロッパが市場をリードしていますが、アジア太平洋地域は最も急速に成長しており、2030年までに公共充電ステーションが約950万カ所設置されると見込まれています。一方、EUは、2030年までに域内に約300万カ所の電気自動車用公共充電ステーションが必要になると予測しており、まず2020年末までに約20万カ所の設置を目指しています。
電力網における電気自動車の役割の変化
路上を走る電気自動車の数が増加するにつれ、電気自動車の役割はもはや輸送手段に限定されなくなります。都市部の電気自動車群に搭載された大容量バッテリーは、全体として相当規模の分散型電力プールを形成します。最終的には、電気自動車は地域のエネルギー管理システムに不可欠な要素となり、過剰発電時に電力を蓄え、需要ピーク時に建物や住宅に供給するようになります。ここでも、電気自動車の潜在能力を現在そして将来にわたって最大限に引き出すためには、安全で信頼性の高い接続性(車両から電力会社のクラウドベースのエネルギー管理システムまで)が不可欠です。
投稿日時: 2023年1月19日